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なぜ幼い子ども達が死ななければならなかったのか?書評:沈黙の子どもたち

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はじめに

山崎雅弘著『沈黙の子どもたち:軍はなぜ市民を大量殺害したか』は、戦争や紛争における市民の大量殺害に焦点を当てたノンフィクション作品です。

アウシュヴィッツ、南京、ゲルニカ、沖縄、広島・長崎など、歴史上における代表的な事例を詳細に分析し、その背後にある軍という組織の構造的な要因を鋭く考察しています。

本書は、単なる歴史的事件の羅列にとどまらず、いつどこでも起こりうる暴力の問題にも深く迫っています。

戦争や紛争の悲惨さを克明に描き出すことで、平和の尊さを改めて訴えかけ、読者に深い問いを投げかけています。

『沈黙の子どもたち』の概要

アウシュヴィッツ、南京、ゲルニカ、沖縄、広島・長崎など、世界各地の戦場で起こった市民に対する殺害事例を網羅的に分析しています。

軍事、政治、経済、文化など、様々な視点から市民大量殺害の問題を考察しています。

そして単なる事実の羅列ではなく、なぜそのような事態が起こったのか、その背後にある軍隊という組織の論理と合理性について、構造的な要因を鋭く分析しています。

多くの戦争史に関する書籍は、主に国家や軍隊の視点から書かれてきました。

本書は、戦争や紛争の被害者である市民に焦点を当てている点が特徴です。

単に歴史的事実を記述するだけでなく、戦争や紛争における市民大量殺害という倫理的な問題に深く迫っています。

 

『沈黙の子どもたち』の感想

本書を読んで、戦争や紛争における市民大量殺害という問題がなぜ起こったのか、どのように理解すべきか、改めて考えさせられました。

戦争という特殊な状況を言い訳にして、このような事態は現在でも世界中で起こり続けています。

敵に勝つことが目的となった場合、それ以外のすべてのものの優先順位は下がります。

そして普通の民間人の命は、一人一人の個人ではなく、1名という数に置き換えられます。

そうなると、もはや一般人の命は、ただ消費するモノ、いや消費しなければならないものという認識に代わってしまう。

そのようなおそろしさを感じました。

この書評が、本書を手に取るきっかけとなれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。