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国を愛するとは?書評:愛国の構造

はじめに

近年、愛国心やナショナリズムの高まりが世界各地でみられる。

しかし、その一方で、排外主義や差別主義の蔓延も懸念されている。

こうした状況下において、愛国心とは何か、どのように考えるべきかについて、多くの議論がなされている。

将基面貴巳著『愛国の構造』は、西洋思想史を専門とする歴史学者である著者が、愛国心の概念を歴史的に考察し、現代社会における愛国心のあり方について論じた書である。

本書では、愛国心が単に国家への忠誠心や愛着心ではなく、むしろ国家を批判的に捉え、より良い国家へと変革していくための力であることが論じられている。

本書から得られる新たな知見

本書の新しい点は、愛国心を単に国家への忠誠心や愛着心としてではなく、国家を批判的に捉え、より良い国家へと変革していくための力であると捉えている点である。

従来の愛国心論では、愛国心を国家への忠誠心や愛着心と定義することが多かった。

しかし、著者は、こうした愛国心論は、愛国心を盲目的な国家への服従と結びつけてしまう危険性があることを指摘している。

根拠のある科学的な説明

近年、愛国心やナショナリズム、パトリオティズムの高まりが世界各地でみられる一方、排外主義や差別主義の蔓延も懸念されている。

こうした状況下において、愛国心とは何か、どのように考えるべきかについて、多くの人が考え始めている。

本書は、西洋思想史を専門とする歴史学者である著者の専門知識に基づいて、愛国心の概念を歴史的に考察している。

本書では、古代ギリシャ・ローマ時代から現代に至るまでの愛国心の概念の変遷が、文献を参照しながら具体的に論じられている。

愛国的であるべきか

本書で最も興味深い箇所は、第3章と第4章で論じられた、愛国とはどういうことなのか、愛国であるべきなのか、そうではないのかという議論だ。

自分と同じ人を愛しているのか、生まれた国だから愛するのか、考え方が同じだから愛するのか、それとも異なるから排除するのか。

単なる言葉としての『愛国』で遊ぶのではない、より深く考えられた洞察は、あなたの思考にも影響を与えるかもしれない。

結論

将基面貴巳著『愛国の構造』は、愛国心について深く考えるための重要な書である。

本書を読むことで、読者は愛国心について多角的に理解することができる。

現代社会における愛国心のあり方について考える人にとって、必読の書だろう。